B: そうですか,あそこはいいところでしょう。私もあそこには何回も行ったことがあるんですよ。あそこに有名な桜餅の店があるんですが,行ってみましたか。 A: え,それは気がつきませんでした。それ,どの辺にあるんですか。 B: 渡月橋のすぐたもとですよ。小さなお店だから気がつかなっかたかもしれませんね。 A: 渡月橋ですか。あそこなら私も通りましたよ。あれもいいところですね。 この会話例でも,< ソ > と < ア > が巧みに使い分けられている。 < 京都の嵐山 > は情報の受けてであるBにとってもなじみの深い場所であるので,Bは < あそこ > という言葉を使っている。だが,嵐山にあるという < 桜餅の店 >は、Bだけが知っており,Aは知らない,すなわち情報の送り手( B) だけが知っている情報なので、Aは < それ > と言っているのである。また,文脈から,< 渡月橋 > もA,B 双方にとっての共通の情報であるのことがわかる。 文脈指示における < コ > は,情報の送り手が指示対象を身近なものであると認識している場合に使われるので,情報の送り手しか使うことができない。情報の送り手が指示対象について認識しているかどかは問わない。 また、文の主題を示す < は > 、文末表現の統一、省略、等を正しく使えるかどうかは表現としての適切を影響している殻、談話時に考えなければならない。 |