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要 旨:言語は人間の交流メデイアとして、また人間そのものを反映する。日本人にとっては、こういう「虫」がいるから、日本語には「虫」のつく言語表現が多いのである。それに反して、ほかの諸国にはこういう風のものはないようである。したがって、日本語言語表現から「虫」意識と呼ばれるこの独特な意識が見えてくる。却って「虫」意識が日本語の豊かさと面白さを創り出したという。ここでは、日本語言語表現における「虫」意識を中心として、面白いしかも不思議な「虫」に関する言葉遣いから、「虫」意識を探求したみようとしている。 キーワード:言語表現;「虫」;意識;
人間と虫、特に日本人と虫とは古くからいろいろな関係で付き合ってきた。日本人は、体中にどうにも「虫」が棲んでいるとおもっているらしい。しかし、どういう虫なのかが、 誰も見たことがないのである。 この 「虫」 は生物上の虫類を越えて、換言すれば実際の虫を離れて、「人の体の中にすんでいて、人を動かす不思議な力をもち、ときどき、居所を変えて、人の気分をいろいろに変化させると思われているもの」である。体内の一定の場所にいるといったが、そこはどこかもはっきりしていない。おそらく二、三匹の「虫」がお腹のあたりにすんでいるだろう。ふだんはそこにおとなしくしているのだが、いったん暴れ出すと、もう手がつけられなくなる。そうなると、あらゆる方法を使って、思い切って「虫を殺す」にほかならない。だが、殺してもすぐ生き返るのか、それとも、別の虫が取って代わるのか、虫はいつの間にかちゃんと元のところに治まっている。そして、こういうことで、日本人の体内に棲む虫を解剖せずには日本人の正体をつかむことができないようだ。 |
论文资料贡献者对本文的描述:日本語の「虫」は、「蒸す.生す」などと書く「むす」と同根で、 “暖かくなり湿度も高くなると這い出てくるもの”を指している。大槻文彦『大言海』によれば、虫とは「蒸す」に...... |