要　旨:AKB48は近年日本で一番人気のある少女アイドルグループである。秋葉原のAKB48劇場に「オタクアイドル」と呼ばれるところから、今では「国民的アイドル」になっている。最近の作品「フライングゲット」と「風は吹いている」は連続で初日ミリオンとなった。現在ではテレビ番組、映画、ドラマや雑誌など、どこでもAKB48を見ることができる。すでに日本では「AKB48ブーム」が起こっているのである。

　　最初のAKB48は秋葉原に専用劇場で公演を行う、「毎日会いに行けるアイドル」をコンセプトに、毎日の公演だけではなく、定期に開催される握手会などメンバーも身近に感じてもらえるようにしていた。AKB48の正規メンバーは、「チームA」「チームK」「チームB」「チーム4」の4つのチームと、正規メンバーではない「研究生」と呼ばれるメンバーがいる。オリジナル曲の数は2011年10月現在で450曲を越える。また、そのうちのほぼ全ての楽曲で総合プロデューサーの秋元康が作詞を担当している。AKB48のメンバーの衣装は、京都造形芸術大学（秋元康は副学長と芸術学部教授に就任している）の学生が手がけている。たくさん衣装が女性の間で流行するなど、ファッション業界からも注目されるようになっている。

　　この世界一人数の多いポップグループが大成功したのは、メンバーの努力なしはやり遂げることができなかったのだろうが、もっと大きな原因は運営が適切なビジネスモデル（AKB48商法）を持っていたことではないだろうか。

　　精神科医斎藤環は『「AKB48」キャラ消費の進化論』でAKB48成功のコツ（複数買い）について詳しく述べている。それは、同じタイトルの曲を2種類以上の仕様で同時発売し、さらに生写真、握手券などをランダムで添付することによって、販売を促進することである。

　　田中秀臣は『AKB48の経済学』で経済学者の観点からAKB48の営業戦略を分析した。「AKB48」と「モーニング娘」のビジネスモデルの違い、デフレ不況で増殖する「心の消費」、経済学で芸能界と日本型雇用システムの関係などである。この本によると、「AKB48」のシステムは相撲界と非常によく似ているそうである。

　　　AKB48が成功して以来、このようなAKB48の営業戦略を分析する本が多いが、だいたいが運営側がファンの極端な感性消費の心理をつかむろいう視点から研究している。しかし、これらの学者たちはAKB48の営業戦略の限界性（主なファンがオタクだから、日本は他国と違い市場がある）を見落としており、「AKB48の営業戦略でAKB48が人気を持つことができるか」という問題についてあまり研究していない。したがって、本稿ではAKB48の営業戦略を分析して、モーニング娘が衰退したことと比較して、人気を失わせない方法を分析する。また、中国で下り坂をたどっているオーディション番組を比較対象として、AKB48の営業戦略をより深く研究するのである。

キーワード：AKB48　営業戦略　モーニング娘　超級女声