要旨：医学の進歩によって、様々な病気を克服してきており、しかし、実は現代医学の知識と技術をもっていても、なお治癒不可能な病気が存在することもある。一方で、医学の進歩によって、患者についても生命を維持し、延命を図る可能性があるが、患者は治る見込みのないまま、時に苦痛に苦しみながら命を長らえる、という事態が現れた。こうした事態の現れは、医療のあり方について再考を迫り、治癒の見込みのない患者に対する末期医療のあり方が、問題とされるようになった。現在、日本は、「高齢社会」となっている。中国において、年間死亡者数は、1000 万人ぐらいである。そのうちで100万近くは、極端な苦痛（末期癌などの苦痛）を伴って死を迎えている[1]。このような社会において、必然的に安楽死の問題が考えさせられるようになる。

キーワード：安楽死；自己決定権；末期医療；刑法規定

目次

謝辞

要旨

摘要

1　はじめに -1

1.1研究の動機及び目的-1

1.2先行研究のまとめ-2

2　安楽死及びその概要-4

3　中国における安楽死-5

3.1　安楽死に関する刑法規定　 -5

3.2　安楽死に関する判例-5

3.3　小括-7

4　日本における安楽死-8

4.1　安楽死に関する刑法規定-9

4.2　安楽死に関する判例-10

4.3  日本が安楽死を認めない理由-11

4.4  小括-11

5  安楽死をめぐる法的議論の新しい展開-13

5.1　安楽死をめぐる諸外国の動向-13

5.2　積極的安楽死の非犯罪化-14

5.3　積極的安楽死の再構築の試み-15

6　まとめ-16

参考文献 -17