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序論 日本語の会話文の研究に、富阪容子(2000)『流暢日本語会話』、山内博之(2001)『臨場模擬日本語会話』、日语研究編委会(2003)『日本研究』などがある。 しかし、外国人向けの会話における曖昧表現についての研究は少なすぎる。そこで本稿では会話における曖昧表現について考察する。 曖昧表現は日本語の会話文の特徴の一つとされているが、日本語を母国語としない人はなぜいわゆる日本語の「曖昧表現」が苦手なのか。文法は正しいはずであるのに、自然な会話ができないのか。会話の能力はなぜ上がらないのか。これらの問題は、われわれ日本語学習者にとって、日本語母語話者とコミュニケーションを図る上で問題となる。日本語を専門として勉強している学習者は、日本語能力試験一級レベルに達する文法と語彙を覚えているが、日本語母語話者と自然な会話を行うことは難しい。特に、日本語の会話の中にでてくる曖昧表現への対応が困難である。本稿では、日本語学習者が日本語の会話中における曖昧表現に対応できるように、曖昧表現の特徴と問題点について考察を行う。 本論では、日本語学習者が何故日本語は曖昧表現が多いと感じるかについて考察を行う。特に曖昧表現の特徴として言われる同じ言語形式で逆の意味を表す場合と、文頭と文末の省略表現の二点に注目する。 本稿では、日本語の曖昧表現を分析し、日本語学習者が日本語の曖昧表現は会話文の特徴の一つであること、把握できることを第一の目標としている。更に本稿では、日本語学習者が会話文における曖昧表現の特徴を理解し、日本語でのコミュニケーションが円滑になれば、学習者の利益になると考える。 |
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