はじめに
三年生の時、ある文法の参考書で、とてもおもしろいセンテンスを見たことがある。 “约翰有这种照相机”というセンテンスを「ジョンはこのカメラを持っています。」あるいは、「ジョンがこのカメラをもっています。」に訳すことができる。この二つのセンテンスを分析して、前の「ジョンは」は主題であり、主語でもある。後の「ジョンが」は主語であり、主題ではない。とてもおもしろいと思う。[117] 主題と主語と主体は日本語の文法の中でよく見られる概念であり、そして入り混じって区別がつかない術語でもある。その三つの概念は意味が違っていると同時にお互いに関連がある。勿論、多くの人、特に外国人日本語学習者にとって理解しがたいもので、文を作る時によく間違うのが現状である。 以前、日本語を勉強していた時、その知識を十分に身につけなかったので、今度の卒業論文の機会を利用し、日本語の勉強の角度から、主語、主題、主体、この三つの概念の定義、表し方及び関係について初歩的に検討したいと思う。
本 論 第一章 主題 1.1 定義: 主題は文の題目である。文が何かについて述べるものであるが、その述べられ、つまり、判断、叙述、描写の対象を取り立てて主題と呼ぶ。主題は文の中心事項あるいは範囲であり、後の述語の力点を置いた説明する対象である。 主題とは話し手が主観的に説明する話題であり、また話し手と聞き手双方の共通の話題であり、しかも既に知っている古い情報である(すなわち、既知の物事)。これは日本語にしかない概念である。[118]
1.2 表現 1.2.1 提示助詞「は」、「も」、「しか」、「でも」、「こそ」、「さえ」、「だって」は主格助詞「が」を代えて主語を主題に提示するのが普通である。 (1)トマトは野菜ですか、果物ですか。 (番茄是蔬菜呢,还是水果?) (2)学生は学業を自分の本務とする。 (学生以自己的学业为本职) (3)一人息子が有名な大学に合格したので、父親はとても満足だった。 (独生儿子考上了著名的大学,父亲非常满意。) (4)子供たちはカレーを作っています。 (孩子们在做咖喱。) (5)長かった夏休みも終わって、明日からまた学校が始まります。 (长长的暑假也已结束,明天又要开学了。) (6)さっきまであんなに泣いていた赤ん坊もようやく寝ました。[119] (刚才还大哭的婴儿终于也睡着了。) (7)こんな話ができる友達というと、君しかない。 (可以谈这种事的朋友,只有你一个。) (8)先生でも解けない難問。 (老师也解不开的难题。) (9)『サルでもわかるコンピューターの本』 (《猴子都能学会的电脑书》) (10)好きこそものの上手なれ。 (只有感兴趣才能做得好。) (11)あの老人こそ、野にあって政界を裏で操る戦後政治の黒幕である。 (正是那位老人,以在野之身操纵着战后的日本政界。) (12)病気で水さえ喉を通らない。 (生了病,连水都喝不下去。) (13)雨さえ降らなければ、少しぐらい天気が悪くても出かけます。 (只要不下雨,天气不太好也出门。) (14)私だってそのぐらいのことはできます。 (那点小事就连我也做得到。) (15)先生だって間違うことはある。 (老师也有错的时候。)
1.2.2 提示助詞は「を」を代えて、目的語が提示されて主題と説かれている。 (16)カレーは子供たちが作っています。 [120] (咖喱,孩子们在做。) (17)この映画は先週見ました。 (这部电影上周看过了。) (18)これこそ僕が探している。 (这东西,我正在找。) (19)これこそ僕の買いたいものだ。 (这才是我想买的东西。) (20)彼は小説しか読まない。 (他只读小说。) (21)彼は自然のものだけしか食べません。 (他只吃自然生长的食品。) (22)顔さえ出せればよい。 (只要露个面就行了。) (23)あのころは授業料どころか、家賃さえ払えないほどまずしかった。[121] (那时候我们穷得别说交学费了,就连房租都付不起啊。) (24)A:コーヒも飲みますか。 B:いいえ、コーヒはあまり飲みません。 (A:咖啡也喝吗? B:不,咖啡不怎么喝。) (25)肉だって食べるのだから、好き嫌いはありません。 (连肉都吃,所以没什么忌讳。) (26)マンションだって買うのだから、これぐらいのお金は君にとって問題になりませんよ。 (连高级公寓都买起来了,这点钱对你来说不是问题啦!)
1.2.3 提示助詞は格助詞「に」、「から」、「まで」、「で」、「より」、「と」、「へ」と重なって補足語を主題に提示する。 (27)このアパートに越してきた頃、私にはまだ妻がいた。 (搬到这所公寓里的时候,我的妻子还在。) (28)中国には石油が多い。 (中国石油很多。) (29)くじには、当たる人よりもはずれる人のほうが多いです。[122] (抽彩票,不中的人要比中的人多。) (30)この雑誌にも載っています。 (这本杂志也登了。) (31)そのことはまだ彼だけにしか話していない。 (那件事还只是对他一个人讲过。) (32)お母さんにでも相談してみたらどうですか。 (哪怕和母亲商量下怎么样?) (33)困ったときにこそ家族は助け合うべきだと思う。 (我觉得越是在困难的时候,家里人越要互相帮助。) (34)あの人からは返事が来た。[123] (他给了回信。) (35)東京から大阪までは新幹線で行き、高知までは船で行った。 (从东京到大阪是坐新干线,到高知是坐船去的。) (36)いつでも来てもかまいません。僕11時までは起きています。 (你什么时候来都可以,我11点钟以前是不睡觉的。) (37)切符は新宿までしか買ってありません。 (票只买到了去新宿的。) (38)北海道では雪が降っている。[124] (北海道可还在下雪。) (39)解説欄では詳しく説明している。 (在解说栏里作了详细的说明。) (40)学校ではそんなことを教えるはずがない。 (在学校不应该教那种事。) (41)この事故では、橋本さんに責任がある。もっとも相手の村田さんにも落度があったことは否定できない。 (在这次事故中,桥本有责任。但话又说回来,不能否认对方村田也有过错。) (42)バスででも行けます。 (乘公共汽车也能去。) (43)このような環境の中でこそ健全な精神が育てられる。 (正是在这种环境中才能培育健全的精神。) (44)あそこよりはここのほうが静かです。 (和那边相比,这边更安静。) (45)去年よりは今年のほうがずっと暑いです。 (今年比去年热得多。) (46)想像していたよりも彼女は元気だった。 (她比我想象的还精力充沛。) (47)先生とは進路のことについて相談した。 (和老师谈了关于前途的事。) (48)著述のある方とは、当公司が出版の相談に応じます。 (有著作者,本公司可与之洽商出版事宜。) (49)彼とこそ仲良くすべきです。 (我该和他搞好关系的。) (50)今度上海へは行かなかった。 (这次,上海可是没去。) (51)私のところへは来る人がない。 (我这儿,没有人来。)
1.2.4 提示助詞は副詞的な連用修飾語を主題に提示する。 (52)今日は休みが取れますが、明日は取れません。[125] (今天能请假,明天不行。) (53)今はまだ話せない。 (现在还不能说) (54)最近は、どんな商品でも丈夫になって、少しくらい乱暴に扱ってもこわれなくなった。 (最近,无论什么商品都结实了,即使有点使用不当,也不会坏。) (55)どんなに忙しくても、一回ぐらいは体育館へ行きたくなる。 (无论怎么忙,一个星期总想去一次体育馆。) (56)一週間に一度ぐらいは映画を見に行きたくなる。 (一个星期总想去看一次电影。) (57)私はしばらくは北京に滞在するつもりです。[126] (我打算暂且呆在北京。) (58)声をかけられるまでは彼がもう来ていることに気づかなかった。 (在听到声音之前,我没发现他已经来了。) (59)ドイツ語なら、少しは話せます。 (德语的话稍微能说一点儿。) (60)この前はおなかがまだすいていた。 (前不久肚子还饿着。)
1.2.5 「にとっては」、「としては」、「については」、「に関しては」、「にしては」、「においては」、「となっては」、「に対しては」、「にかけては」、「~から~にかけては」、「といえば」、「とすれば」、「ときたら」など提示機能を持っている慣用型は主題を提示するのが少なくない。[127] (61)それは私たちにとっては興味のある問題です。 (这对我们来说是个很有兴趣的问题。) (62)病床の私にとっては、友人の励ましがなによりもありがたいものだった。 (对于躺在病床上的我来说,朋友的鼓励是最宝贵的。) (63)彼としては、辞職する以外に方法がなかったのでしょう。 (作为他,除辞职之外没有别的办法吧。) (64)この問題についてはどう考えていますか。 (关于这个问题,你是怎么想的呢?) (65)地震災害に関しては、我が国は多くの経験と知識をもっている。 (关于地震灾害,我国已积累了不少经验和知识。) (66)子供にしては難しい言葉をよく知っている。 (一个小孩子却知道不少难词。) (67)造形の美しさにおいてはこの作品が優れている。 (在造型的美观上这个作品非常优秀。) (68)今となっては、名前も顔も思い出すことができない。 (到了今天,连名字带长相都想不起来了。) (69)私の質問に対しては、何も答えてくれなかった。 (对我的提问没有给予任何回答。) (70)忍耐力にかけては人より優れているという自信がある。[128] (在忍耐力方面,自信比别人优越。) (71)今月から来月にかけては、休暇を取ることができます。 (这个月到下个月能够请假休息。) (72)森町といえば、昔から木材の産地です。 (说到森镇,自古以来是木材产地。) (73)教師とすれば、よくできる学生に関心が行くのは自然なことだと思う。 (我想,作为老师,关心学习好的学生也是自然的。)[129] (74)あそこの家の中ときたら、散らかし放題で足の踏み場もない。 (提到他们家里头,乱得简直没有下脚的地方。)
1.2.6 提示助詞は文の主題を提示し、非格成分になっている。その時、「はが文」に使われるのが普通である。 (75)象は鼻が長い。[130] (大象鼻子长。) (76)あの川は水がきれいです。 (那条河水很清。) (77)山田君はお父さんが病気だ。 (山田的父亲病了。) (78)魚は鯛がいい。 [131] (鱼还是加级鱼好。) (79)日本は私がはじめてです。 (日本、我是第一次来。) (80)カキ料理は広島が本場だ。 (牡蛎,还是广岛的正宗。) (81)辞典は新しいのがいい。 (字典,还是新的好。) 第二章 主語 2.1 定義: 主語は文論上の概念で、文の主な成分である。主語はその文の述べる物事を差し出し、述語の前に置かれている。
2.2 表現: 2.2.1 能動文 主語は能動文の中で判断、性質、状態、動作、存在、作用などの主体である。 A 格助詞「が」は主語を表す。 (82)桜の花がきれいだ。[132] (樱花很漂亮。) (83)田中さんが責任者です。 (田中是负责人。) (84)アルバイトの学生はみんな背が高い。 (打工的学生个子都很高。) (85)漢字は読み方が難しい。[133] (汉字读法很难。) (86)インドで大きい地震が起こった。 (印度发生了大地震。) (87)机の上に写真があります。 (桌子上有照片。) (88)外国語を覚えることが難しい。 (学会一门外语很难。) (89)彼がその日被疑者に会ったかどうかが問題です。 (他那天是否见到犯罪嫌疑人还是个问题。)
B 格助詞「の」で主語を示す。 (90)私の知るところの限りでは、そのようなことは一切ございません。[134] (据我所知,绝没有那样的事情。) (91)食欲のないのは、暑さのせいだ。 (没食欲是因为天气太热。) (92)胃の弱いくせに、私はふなよいというのを知らない。 (我尽管胃不太好,但却不知道什么叫晕船。) (93)あの背の高い方が朱先生です。 (那位个子高的是朱老师。) (94)母の作ってくれたお菓子はとてもおいしいです。 (妈妈给我做的点心很美味。) (95)太郎の好きな人は花子です。 (太郎喜欢的人是花子。) (96)友達の来るのを待っている。 (我正在等同学来)
C 提示助詞「は」、「も」、「しか」、「でも」、「さえ」、「こそ」、「だって」等で主語を提示することができる。 (97)学校はあと二日で始まります。 (还有两天学校才开学。) (98)社会人になったばかりの新入社員は、挨拶がぎこちない。 (刚走入社会的新职员们致辞都显得语顿。) (99)桃は果物ですがりんごも果物です。 (桃是水果,苹果也是水果。) (100)教室には佐藤さんしかいません。[135] (教室里只有佐藤。) (101)政府でも特にこのことを重視しております。[136] (政府也特别重视这件事情。) (102)宿題さえできたら、遊んでも大丈夫です。 (只要完成作业,就可以去玩。) (103)衣食住こそ、何よりも先に円満に解決しなければならない。 (衣食住比什么都应该首先妥善解决。) (104)私だってそのぐらいのことはできますよ。 (那点小事就连我也做得到。)
D 副助詞「だけ」、「のみ」、「ばかり」、「など」、「まで」、「なんか」などは主語を表すことができる。[137] (105)これだけ僕の取り分です。 (我的份只有那一点点。) (106)彼のみ知っていますか。 (只有他知道吗?) (107)男子学生のみこの寮に入ることができる。[138] (只有男生才能入住这座宿舍。) (108)そこには学生ばかりいます。先生はいません。 (那里全是学生。没有老师。) (109)私など、とてもそんな難しいことはわかりかねます。[139] (像我这样的人,弄不懂那么难的事情。) (110)アメリカや日本などが反対の意志を表明した。 (美国和日本等国表明了反对的意见。) (111)年寄りまで騒ぎ出す。 (连老人都闹起来了。) (112)寒いところへ、雨まで降ってきた。 (本来就冷,又下起雨来。) (113)A:日本語お上手ですね。 B:いいえ、私なんか、まだまだ勉強が足りません。[140] (A:你日语真好啊。 B:哪里哪里,我学的还远远不够。)
2.2.2 受身文 主語は受身文の中で動作、作用の対象で、つまり客体である。 (114)『源氏物語』は紫式部によって書かれた。[141] (《源氏物语》是由紫式部写的。) (115)ことわざはいつ、どこで誰によって作られたか、わからないのです。 (谚语是什么时候、什么地方、由谁创造的,这都不清楚。) (116)私は朝早く友人に電話で起こされた。 (一早,我就被朋友的电话叫醒了。) (117)私は幼い時に、父に死なれた。 (我很小的时候,父亲就死了。) (118)彼は正直なので、誰からも信頼されている。 (他很正直,得到了大家的信任。) (119)太郎は先生からよく褒められる。 (太郎常受到老师表扬。) (120)その子は母親に叱られて、泣き出した。 (那孩子被妈妈训斥,哭了。) (121)犯人は警官に射殺された。[142] (犯人被警官击毙了。)
2.2.3 使役文 主語は使役文の中で動作、作用の使役者である。 (122)先生は学生に論文を書かせる。 (老师让学生写论文。) (123)父はやっと私たちに買い物に行かせるようになった。 (爸爸终于肯让我们去买东西了。) (124)先生は田中さんにボールを五回まで投げさせました。[143] (老师让田中投了五次球。) (125)鈴木さんは高木さんにその事件を調べさせた。 (铃木让高木调查那件事。) (126)太郎は弟に荷物を運ばせた。 (太郎让弟弟搬东西。) (127)彼は相手に重傷を負わせた。 (他使对方受了重伤。)
第三章 主体 3.1 定義: 主体は動作の行い方、あるいは状態の持ち主で、時には主語であり、時には目的語、補足語でもある。能動文の中で、主語は動作、状態、性質の主体である。受身文の中で、主体が動作、作用の発動者であり、格助詞「に」、「から」、「で」、慣用型「によって」などで表されている。使役文の中で、主体は被使役者である。[144]
3.2 表現: 3.2.1 格助詞「が」は主体を表す。 (128)雨が降っている。[145] (正在下雨。) (129)桜がきれいだ。 (樱花很漂亮。) (130)仕事が忙しい。 (工作很忙。) (131)水蒸気が凝結して水になる。[146] (水蒸气凝结变成水。) (132)自動車と電車が衝突した。 (汽车和电车相撞了。) (133)発展が意外に早い。 (发展意外的快。)
3.2.2 提示助詞「は」、「も」、「しか」、「でも」、「さえ」、「こそ」、「だって」等で主体を表すことができる。 (134)月は明るい。 (月亮很明亮。) (135)ひどく静かだった。波の音も風の音もない。 (非常的安静。波浪声、风声一点也没有。) (136)会場には本人しか入れない。 (只有本人才能进入会场。) (137)気分でも悪いんですか。 (身体有什么不舒服吗?) (138)近ごろは、いい大人さえが電車の中で漫画を読んでいる。 (最近,连上了年纪的人也在电车里看漫画。) (139)君こそ命、我が命。[147] (你是我的生命。) (140)子供だってそれぐらいは知っている。 (那种事连小孩子都知道。)
3.2.3 副助詞「だけ」、「など」、「まで」、「ばかり」、「のみ」なども主体を示すことができる。[148] (141)クラスの中で、アリさんだけ旅行に行かなかった。 (班上只有阿里没去旅行。) (142)偉大もんですね。私などとても真似できませんよ。[149] (真了不起呀,像我这样,学也学不上来。) (143)子供のけんかに大人まで出てきた。 (因为孩子们的争吵,连大人都出来了。) (144)落ちぶれた身には、風まで冷たい。 (对于穷困潦倒的人来说,连风都是冷酷无情的。) (145)そこには学生ばかりいます。先生はいません。 (那里全是学生。没有老师。) (146)金持ちのみが得をする。 (只有有钱人才得益。)
3.2.4 格助詞「に」、「から」、「で」、「を」などは主体を示す。 A 格助詞「に」 a 能動文 (147)写真ぐらい私にも写せます。 (照片我也会拍。) (148)そんな話では子供にわからない。 (那种话孩子不懂。) (149)私にはお金が必要だ。 (我需要钱。) (150)親友の裏切りが私には悲しい。 (好友的背叛,使我很伤心。) (151)私には彼の言っていることがよくわからない。[150] (我不太明白他说的话。) (152)先生にはお変わりなくお元気でお過ごしのことと存じます。[151] (想必老师和从前一样身体很健康。) (153)日本文化に対する中国文化の影響をみんなさんに知ってほしいです。 (希望大家了解中国文化对日本文化的影响。)
b 受身文 (154)その小説は多くの人に愛読されている。 (很多人喜欢看那本小说。) (155)先生ににらまれると、みんなが猫のように大人らしくなる。[152] (老师一瞪眼睛,大家都老实得像猫似的规规矩矩的了。) (156)僕の金魚が猫に食われた。 (我的金鱼被猫吃掉了。)
c 使役文 (157)社長は門番に門を開けさせました。 (总经理让看门人开门了。) (158)王先生は、生徒に校歌を歌わせます。 (王老师让学生唱校歌。) (159)彼の行動は多くの人に反感を起させました。 (他的行为引起了很多人的反感。)
d 請求文 (160)彼には来てもらいたくない。 (不想他来。) (161)田中さんに私の好きな歌を歌ってもらった。[153] (请田中唱了我喜爱的歌。) (162)病気になったので、お医者さんに来ていただきました。 (因为病了,所以请医生来了一趟。)
B 格助詞「から」 (163)そのことは私から彼に話しておきます。 (那件事由我去向他说。) (164)お手紙は係からそれぞれの国へ送ります。[154] (信由办事人员寄到各个国家。) (165)花子は太郎からラブレターを渡された。 (花子收到了太郎送来的情书。) (166)誕生日の時、私は友達からいろいろな贈り物を贈られた。 (过生日时,我收到了朋友送的各种礼物。) (167)自分のことは自分でしなさいと小さい時からよく父から言われました。 (从小时候起就常被父亲说要自己的事情自己做。) (168)私は先生からもう一度説明していただきました。 (我请老师又说明了一遍。) (169)張さんから記念写真を撮ってもらいました。 (请小张拍纪念照片。)
C 格助詞「で」 (170)これは当社で開発した新製品です。[155] (这是我公司开发的新产品。) (171)この行事は生徒会で計画した。 (这个活动是学生会组织的。) (172)警視庁で未成年者犯罪の取り締まりに全力を挙げています。 (警视厅正在全力以赴取缔未成年犯罪活动。) (173)僕のほうで切符を買っておきます。[156] (由我买票。) (174)富士山は、真っ白な雪で覆われている。 (富士山被雪白的雪覆盖着。) (175)天井は、色テープで美しく飾りつけられている。[157] (彩带漂亮地装饰着天花板。) (176)パーマネントは校則で禁じられている。 (校规禁止学生烫发。)
D 格助詞「を」 (177)二年も続けて落第して母をがっかりさせた。[158] (连续两年都高考落榜,使母亲很失望。) (178)彼は冗談を言ってみんなを笑わせる。 (他开了个玩笑,让大家都笑了。) (179)ふとした運命のいたずらが、彼女の人生を狂わせてしまった。 (命运对她开了个玩笑是,使她的人生计划全乱了。)
3.2.5 慣用型「によって」、「ときたら」、「とすれば」、「にして」などは主体を表すことができる。 (180)ストは委員会によって決められた。 (罢工由委员会决定。) (181)政治は経済によって影響される。 (经济影响政治。) (182)この建物は有名な建築家によって設計された。 (这座建筑是由著名的建筑师设计的。) (183)二階の学生ときたら、やかましくてしようがないですね。[159] (二楼的学生,简直吵得让人受不了。) (184)今時の若者ときたら、老人に席をゆずろうともしない。 (现在的年轻人,都不想给老年人让个座位。) (185)当事者の彼とすれば、そう簡単に決めるわけにはいかないのです。[160] (从当事人的他来考虑,绝不能那样轻易做决定。) (186)学生の父母とすれば、成績がよければよいほどうれしいでしょう。 (学生的父母都是成绩越好会越高兴吧。) (187)教師にして学問のなんであるかを知らない。 (他作为教师却不知学问为何物。) (188)あの成績優秀な彼にしてできなかったのだ。私ができないのも無理はない。 (就连成绩那么优秀的他都没做出来。我不会也是自然的。)
第四章 関係 4.1 主題であれば、主語、主体でもある。 (189)年寄りまでは一生懸命勉強している。 (连老人都在拼命学习。) (190)桜は日本の国花である。 (樱花是日本的国花。) (191)これはレコードです。あれもレコードです。 (这是录音机。那也是录音机。) (192)事務室に張さんしかいません。 図1 (办公室里只有小张一个 人。) (193)高校生でもうまく答えられません。 (高中生也回答不好。) (194)大衆こそ真の英雄である。[161] (群众才是真正的英雄。) (195)その小説はあまりも面白くて、食事の時間さえもったいないと思ったほどだった。 (那本小说太有意思了。我甚至连吃饭的时间没有看都会觉得可惜。)
4.2 主語、主体であり、主題ではない。 (196)月には空気がない。 (月球上没有空气。) (197)中国は沿海地方が発達している。 (中国沿海地区发达。) (198)電話がかかってきたら、教えてください。[162] (来了电话告诉我一声。) (199)弟だけ公園に行きました。 (只有弟弟去了公园。) (200)洪水の後、石の土台のみ残された。 図2 (洪水过后,剩下的只有石头基石。) (201)毎日、雨ばかり降っている。 (每天都在下雨。)
4.3 主体であり、主語、主題ではない。 (202)鼠は猫に捕らえた。 (老鼠被猫抓了。) (203)バスを待っている人たちは、やってきた車に泥水をかけられた。 (等公共汽车的人们被开过来的汽车溅着了泥水。) (204)この奇抜なフアッションは新しいものを好む若者たちによって直ちに受け入れられた。 (这种奇特时装立即为喜好新事物的年轻人所接受。) 図3 (205)その村の家の多くは洪水によって押し流された。 (这个村子里的许多房屋被洪水冲走了。) (206)私の書いた小説は友達から読まれました。 (我写的小说被朋友读过了。) (207)私は田中さんから夕食に招待された。 (田中招待我吃晚饭。) (208)その件は私たちの方で、今話し合っている最中だから、最終結論を出すのはもうちょっと待ってくれないか。[163] (关于这件事我们正在讨论,请再等一等,我们就会拿出最后结论。) (209)寒い冬のために、農家では野菜を囲っておきます。[164] (农民把蔬菜储存好,以备严冬食用。) (210)遊びたかったが、父は私たちを買物に行かせた。 (我们很想玩,可是爸爸却叫我们去买东西。) (211)石榴の木に、真赤なざろくを実らせている。 (石榴树上,结了很多通红的石榴。) (212)彼は人々にその提案に反対させた。 (他让人们反对这项提议。) (213)彼に勝手に言われておこう。 (让他随便说吧。)
4.4 主題であり、主体でもあり、主語ではない。 (214)波では、岩が洗われる。 (岩石被风浪冲刷。) (215)先日の雪では、軒が傾けられた。[165] (房檐被前些天的大雪压歪了。)
終わりに
主題、主語、主体という三つの概念をはっきり理解することは、われわれ外国人日本語学習者にとって、大切なことであると思う。 その三つの概念をよく把握するのはセンテンスの構造を分析して文の意味を正確に理解することに役に立てるに相違ない。 上の述べるように、その三つの概念は意味が違っていると同時に使用上お互いに関連がある。 以前、日本語を学ぶ時、その知識を十分に身につけないので、今度の卒業論文の機会を利用し、私は関係した資料を調べて、日本語の勉強の角度から、主語、主題、主体、この三つの概念の定義、表し方及び関係について初歩的に検討したにすぎないのである。
謝 辞
本論文を書いている間に、指導教官――孟広徳先生に、論文のテーマ決定から、資料収集、書き方、言語表現まで常に丁寧に温かくご指導いただき、誠に感謝の念にたえません。 また、日本語学部のほかの先生よりもいろいろご助言をいただくことに心よりお礼申し上げます。 とにかく、先生がたから、丁寧かつ熱心なご指導を賜りました。ここに感謝の意を表したいと思います。
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