小学校物語教材の表現特性
目次 序 章:はじめに 第1章:探讨概要 第1節:探讨対象 第2節:予想される結論 第3節:探讨措施 第4節:叙述内容の略论について 第1項:状況について 第2項:心理について 第3項:視点人物の態度について 第5節:叙述措施の略论について 第1項:文長・標準偏差につい 第2項:談話表現の割合について 第3項:思考動詞の割合について 第2章:略论および考察 第1節:状況について 第1項:状況と学年 第2項:状況と出版社 第2節:心理について 第1項:心理と学年 第2項:心理と出版社 第3節:主人公の行動について 第1項:主人公の行動と学年 第2項:主人公の行動と出版社 第4節:文長・標準偏差について 第5節:談話表現の割合について 第1項:談話表現の割合と学年 第2項:談話表現の割合と出版社 第6節:思考動詞の割合について 第1項:思考動詞の割合と学年 第2項:思考動詞の割合と出版社 第7節:心理と主人公の行動について 第8節:談話表現の割合と主人公の行動について 第9節:思考動詞の割合と主人公の行動について 終章:結論 <<おわりに>> <<参考文献>> <<略论一覧表>>
序章 はじめに 日本において、国語教科書に載せられている物語著作ほど、多く読まれている物語は無い。ではなぜ、教科書にはそれらの著作が選ばれ掲載されているのか。選ばれている物語教材には、何らかの特徴があり、そういった点を考慮して、教科書に掲載されるようになったのではないか、ということに大変興味を持った。 昨年、私の所属するゼミでは光村図書・東京書籍・教学出版の物語教材を対象に、主人公に焦点を当てて探讨を行った。主人公に焦点を当てた理由は、小学生は物語を読む際に、主人公に自分を重ねたり、客観的に主人公を見つめたりしながら読んでいくのではないだろうかと考えたからである。その探讨では、主人公の略论を中心に、主人公を取り巻く状況や、その状況における主人公の心理、物語中での主人公の態度など、いくつかの項目を立てて、個別に略论をしたり、組みあせて略论したりした。その結果、光村図書・東京書籍・教学出版の多くの物語著作では、主人公が行動することによって、状況に良い変化を与え、主人公の心理もよくなるというものだった。これは、低学年ではさらに顕著であった。また、学年が上がるに連れて、行動はしたものの、状況は変化しない、あるいは悪化してしまったが、その結果を受け入れようとする主人公が増えていくという傾向も見出せた。 そして、私は残る3社の大阪書籍・学校図書・日本書籍に掲載されている物語教材を含めるとどうなるのか、この傾向は変化するのか、あるいは変わらないのか、ということに興味を持ち、同じように主人公に焦点を当てて探讨を始めることにした。 また、昨年の探讨では注目しなかった、著作を構成する文字数・談話表現の割合などの叙述措施に関しても略论対象とし、これらと組み合わせることでまた違った特徴が見えてくるのではないかと考えた。
第1章 探讨概要 第1節 探讨対象 探讨対象は、小学校教科書を出版している全6社(大阪書籍・学校図書・日本書籍・教学出版・光村図書・東京書籍)の平成16年度まで、各小学校で使用されていた国語教科書の物語教材、全118著作(重複は含まない)である。 以下に著作の一覧表を載せる。 1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 大阪書籍 おおきなかぶ どうぞのいす はんぶんこずつすこしずつ ぴかぴかのウーフ 天にのぼったおけや いいものもらった お手紙 かさこじぞう コスモスさんからお電話です とらとふえふき がんばれわたしのアリエル つり橋わたれ マーリャンとまほうの筆 やまんばのにしき 母さんの歌 ごんぎつね 風のゆうれい ,日语论文,日语论文 |