日本語文法『関係代名詞』
関係代名詞 日本語の関係代名詞と英語の関係代名詞は若干異なります。日本語の関係代名詞は解釈が文脈に依存する場合があります。たとえば (1) a. 雑誌を買った少年 the boy who bought a magazine (1a)は一般的には(1b)という意味に解釈されるのが一般的ですが、 (2) a. 雑誌を買った少年に本も買ってあげた the boy for whom I bought a book (2a)となると(2b)という解釈になります。また (3) a. 雑誌を買った少年から本もまた買った the boy from whom I bought a magazine. (3a)となると「買った」人が「少年」という解釈ではなく、「私」という解釈になります。このように日本語の関係代名詞節は文脈に依存するようになります。英語の関係代名詞のように関係代名詞節の主語や目的語にならなくてはならいという制限がありません。「雑誌を買った少年」の「少年」は「買う」の動作主であったり、目的を表す意味役割であったり、起点を表す意味役割であったりします。また二重に関係代名詞で修飾することも自由にできます。次の日本語を見てください。 (4) a. かわいがっていた犬が死んでしまった少年 (Kuno 1973) the boy whose dog which he was fond of died (4a)は「かわいがっていた」という文と「犬が死んだ」という文というように二重に関係代名詞で少年を修飾している名詞句です。日本語の場合は可能ですが、直訳をした英語では非文となってしまいます。さらに日本語の関係代名詞節では関係代名詞化された場合は空所がなくてはならないのですが、その空所の箇所が代名詞で顕在化する場合があります。 (5) a. 名前を忘れてしまった男の人 b. その人の名前を忘れてしまった男の人 c. the man that I have forgotten the name of d. the man that I have forgotten the name of him (5a) は英語では問題がないのですが、(5b)のように「その人の」と関係代名詞化される先行詞にあたる名詞句が顕在することが日本語では可能です。英語では(5d)のように非文となります。最後に日本語の関係代名詞節の場合は、関係代名詞節の中の主語が「の」に置き換わることが可能となります。いわゆる「が・の交替」が生じる点です。しかも「が・の交替」は関係代名詞節の中の主語のみでなく「が」助詞で表されている名詞句にはなににでも適応される点です。 (6) a. 太郎が好きな犬 b. 太郎の好きな犬 c. りんごが好きな少年 d. りんごの好きな少年 (6b)の太郎は関係代名詞節内の主語であったのですが、助詞が「が」から「の」に交替しています。また(6d)は「好き」の目的語が「が」格で表されているためにここでも「が・の交替」が生じています。
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