——以《生来的烦恼》为中心
内容提要 有岛武郎是一位关于大自然具有强烈感受性和敏锐观察力的作家。这种与生俱来的能力从他的几部代表作中的自然描写中可见一斑。此外,有岛还是一位非常重视象征表达的作家,他小说中的自然描写,日语论文,尤其是对“海”的描写引人注目,饱含深意。众所周知,美国诗人惠特曼是对有岛的人生起到重要影响的人,他众多文学著作的背后都有着惠特曼的影子,尤其是小说中对“海”这一意象的设置,很明显是受到了来自于惠特曼的作用。有岛从惠特曼的诗歌中获取了怎样的暗示和启发?经常出现在惠特曼诗歌中的“海”到底在有岛的小说中发挥了怎样的影响?这是本论文探讨的课题。本论文主要选取了有岛的代表作《生来的烦恼》为探讨对象,深入解读和略论其中“海”这一意象的含义。 本论文共由五章构成(包括前言,正文的三章和结语)。正文主要分为三个部分。第一章回顾有岛和惠特曼之间在文学上的“邂逅”,日语论文题目,提出惠特曼诗歌中的有关“海”的意象。第二章通过具体著作提出有岛著作中自然描写,以及对“海”这一意象的应用。第三章围绕著作《生来的烦恼》深入研讨其中“海”的深意。 关键词 有岛武郎;自然描写;生来的烦恼;海 谢辞 本文在写作过程中得到了李明老师的悉心指导,在此表示诚挚的感谢。
要旨 有島武郎は自然に対し、強い感受性と鋭い観察眼を持つ作家である。この生まれつきの素質は諸篇の代表作に描かれた自然描写から読み取ることができる。そのうえ有島武郎は象徴的表現を重んじる作家でもある。小説における自然描写、特に「海」に関する描写はとても印象的であり、意味深い。一方周知のように、アメリカの詩人ホイットマンは有島武郎の人生に最大の影響を及ぼした人である。有島文学の根底にもホイットマンの思想が力強く波打っていた。同じように有島武郎の小説における「海」のイメージ設置においては明らかにホイットマンを導き手としたところが大きい。ホイットマンの詩に深い感銘を受けた有島武郎がどのようにホイットマンに示唆されているのか、ホイットマンの詩によく登場した「海」のイメージはどのように有島武郎の小説に機能しているのか、それが小論の探讨課題である。小論は主に『生まれ出づる悩み』を探讨対象とし、中の「海」のイメージについて詳しく略论していきたい。 小論は主に三つの部分に分けられている。第一章では有島とホイットマンとの出会いを遡り、ホイットマンの「海」を提出する。第二章では有島の著作における自然描写、特に「海」の登場を見る。第三章では『生まれ出づる悩み』を中心に「海」というイメージの深意を追求する。 キーワード:有島武郎;自然描写;生まれ出づる悩み;海 謝辞 小論作成にあたり、指導教官の李明先生から、丁寧なご指導を賜わりました。この場を借りて、深く感謝の意を表します。 はじめに 有島武郎は大正期の有名な小説家、評論家であり、特に「白樺派」の代表作家として広く知られている。作家として本格的な執筆生活が極めて短く、七ヶ年足らずで終わったが、凡ての情熱を傾けて、充実した成果をあげた。戦後昭和四十年代、本多秋五氏、安川定男氏、山田昭夫氏などによって、有島の文学全体が本格的に文壇の注目を受け、多様の視点から有島文学を再認識する探讨が築かれ初めた。現在にいたって、日本で「有島探讨会」があり、会報を発行したり、シンポジウムを開いたりして、作家の著作や人生に関する探讨活動が盛んに行われている。一方中国では、初めてその文学を中国に翻訳し、紹介した人は魯迅先生である。また新中国が成立されて以来、有島にかかわる探讨は主に社会主義への関心、ヒューマニズムの思想、リアリズムの傑作『ある女』を中心に行われてきたようである。近年来、遼寧学院の劉立善氏をはじめ、日中比較文学の視点からの探讨も大きな成果を収めた。 |