これらの「~は~が~」構文の文を西洋の言語に翻訳しようとすると、一通りの措施では翻訳できない。一つの公式を機械的に当てはめることができないのである。特に、1「象は鼻が長い」は、先に述べたように The elephant has a long trunk. となるが、この直訳は「象は長い鼻を持っている」、もう少し日本語らしくしても「象には長い鼻がある」となるだけで、「象は鼻が長い」を的確に訳したことにはならないのである。 だから、問題になるのである。 これ以外は「~は~が~」構文であるという認識は少ないであろう。それは、それぞれ的確で機械的な翻訳の方式が決まっているからである。
解説と問題点
一般の読み物、新聞などにはもっと多彩な「~は~が~」構文の文が見られる。それらを検討する前に、上に述べたことの解説と問題点を考えてみよう。 1「AはBが~」において、AとBとの間になんらかの関係があるもの AとBとのいろいろな関係を典型的で分かりやすい「部分」から始め、「持ち物」「生産物」「側面」および「その他」に分ける。「部分」~「側面」の分け方のヒントは高橋太郎先生から得たものであるが、次の解説は吉川の責任によるものである。 1-1「部分」について 「象は鼻が長い」という文で「鼻」とは「象の体の一部分」を指す。「象」と「鼻」との関係は「全体」と「部分」との関係である。つまり「AはBが~」という文型において「BはAの部分」という関係になっている。 この文に関して必ず学生に質問されるのは、「象は鼻が長い」と「象の鼻は長い」とはどう違うのか、というものである。 前者は象についてウンヌンするもの で全く違うものなのに、西洋の言語で考えると、その違いがよく分からないのだろう。 「私は頭が痛い、私は歯が痛い、私はお腹が痛い」の類は「象は鼻が長い」の類とは異なる。確かに、「頭、歯、お腹」は「私」の体の部分であるが、上の文型とは次のように異なっている。 「象は鼻が長い」では「長い」は属性形容詞で、象の属性ではなく、(象の)鼻の属性を意味している。これに対して、「私は頭が痛い」では「痛い」は感情形容詞(もっと正確には感覚形容詞)で「私」の感じる感覚を意味している。「頭」はなにかと言うと、これは感覚を感じる部位(これを箇所と言うことにしよう)である。つまり、「痛い」という感覚形容詞は「箇所」を補語として要求することばだ、と考えられる。 次に「私はお腹がすいた、私はのどがかわいた」の類はどうか。「お腹、のど」が「私」の体の部分であるという点では上と同じであるが、「私は……すいた」「私は……かわいた」と、Bを省略して言うことはできない。これは「お腹がすく」「のどがかわく」の結びつきが強いからである。 上一页 [1] [2] 下一页 ,日语毕业论文,日语毕业论文,日语论文 |