「戦国BASARA」は、同名のアクションゲームを原作として2017 年にTBS 系列で放送されたアニメ著作である.戦国时代を舞台に、设定や外见を大胆にアレンジされた、実在する戦国武将たちの荒唐无稽な戦いを描いた著作であり、「らきすた」と同様に宗教的要素を扱っているわけではない.しかしながら、ゲームやアニメのヒットによって女性ファンの间で戦国武将ブームが起こり、主人公の一人である伊达正宗ゆかりの地である、仙台城迹にある宫城県护国神社に多くの女性ファンが访れた.宫城県护国神社は、明治37 年に招魂社として総见された神社で、现在は宫城県出身の戦没者を中心に多くの英霊が祭られている.以前は中高年层の参拝客が多かったが、现在では若い女性の参拝客が増え、アニメやゲームに出てくる戦国武将のイラストを絵马に残していく姿がよくみられるという. 4. 若者の宗教性と圣地巡礼における神社参拝との関系性 4.1 若者の宗教性の特徴 现代において、日本人の宗教に対する兴味、関心は希薄である.それは朝日新闻の2017年の调査で「宗教に兴味がない」と答えた人が77%に上ったという结果や、さまざまな调査で「特定の信仰を持つ」と答える割合がしだいに减少し、现在では3 割を切っているという近况から分かる.しかしながら日本では、一年を通して初诣や七五三またクリスマスなどの様々な宗教的行事を多く行われ、朝日新闻の调査によると全国平均で约半数の家庭に仏坛や神棚があるなど、日常生活に宗教が根付いているのも事実である.このような状况から考えると、日本人は无意识のうちに様々な宗教を受け入れ、宗教に対する信仰心がありながらも、积极的に特定の宗教を信仰することや、自覚的に宗教に接する机会が少ないという意味で宗教性が薄いと言える. そのなかでアニメファンの中心である10 代から30 代の若者の宗教性はどのようなものであろうか.若者に関しては様々な调査で、「信仰がある」とする割合が他の年代に比べて低い、「宗教を大切にする」とするよりも「宗教を大切にしない」とする割合の方が多い、「神仏どちらかを信じている」とする割合も减少し続けているなどの结果が出ている.これらの调査结果から、若者は伝统的な宗教や既存の宗教に対する兴味や関心が低いことが分かる.また他の年代に比べて墓参りや初诣以外はあまり行っていないという调査结果から、若者には宗教的行为を行う机会も少ないと言える.このように若者は他の年代に比べてさらに宗教性が薄いのである. しかしながら初诣に関しては特徴的で、他の年代よりも実施する割合が高く、しかも実施する割合は年々増加している.したがって若者は宗教的行为の中でも初诣に対しては関心が高いと言える.ただし、そうは言っても若者と神社のつながりが特别强いというわけでない.初诣以外で神社に参拝する机会が少なく、自分の住んでいる地域の神社と関系性をもたない割合が四割を超えるなど神社自体に関する関心は低いのである.これは初诣が日本人の年中行事として定着するなかで、宗教行事としてみなされることが少なくなり、若者にとって一种のイベントとなっていると考えることができる. 4.2 若者の宗教性の特徴と圣地巡礼における神社参拝との関系性 若者の宗教性の特徴は上记のとおり、「既存の宗教全般に対する関心は薄いが、初诣に関しては行う割合が高い」というものであった.ではこのような若者の宗教性とアニメ著作の圣地巡礼における神社参拝はどのような関系性があるだろうか.神社に対する参拝というものは元々、伊势神宫で祀られている天照大神、出云大社で祀られている大国主の命みこと、全国に存在する稲荷神社や八幡神社における稲荷信仰、八幡信仰など、各社の祭神への信仰心によるものであった.初诣も住んでいる地域の氏神神社やその年の恵方、すなわち縁起が良いとされる方向の神社へ参诣するものであり、神が居住まいを正して来临してくる「ハレ」の时である正月において、神を清浄な心身で迎える行事であった.これらは日本人に代々根付いてきた素朴な信仰心によるものと言えよう. |