ある种の形状を视覚で捉えている.あるいは、経験的に知っていることから、视覚表现が成り立つ.この场合は、また、木ベラによる间接的な接触が认められるので、触覚的経験が関わっているといえる. イ.「触覚―视覚―聴覚」 (15)お茶渍けをさらさら食べる. ここの「さらさら」は、音(聴覚)を表すのか、素早くかき込む様子(视覚)を表すのか、もしくは舌ざわりや喉ごし(触覚)を表すのか.それはどちらの一つだけに限定することはできない.むしろ、この三つの感覚の重ねだというほうが説得力があるであろう. (16)たらこ?塩数の子?塩いくらをセットにしました.一粒一粒ほぐして塩渍けにしたぷちぷちのいくら、スケソウダラの成熟卵を生のまま塩渍けにしたさらのたらこ、ニシンの卵を塩渍けにしたコリコリの数の子. ここの「ぷちぷち」は口の中の感覚のみならず、视覚的印象(粒状のものが细かくぎっしり诘まっている様子)及び聴覚的印象(噛みきったときの音)のすべてを表すと考えられる. ウ.「触覚―聴覚」 (17)ちょっともそもそした表面で、さらに、中の生地もかさかさして、何か喉乾きそう. 「かさかさ」というのは、まず、触覚として水分の少なさ、つまり乾燥感、または乾燥であるため、噛むときの破砕音.「かさかさ」の特殊なところは、その音感自身に乾いた感じがあって、このような音を立てるようなものが、水気を失って乾いた状态のものであることが多いから、触覚的にも乾燥感の感じるものが多いというところである. (18)歯がきしきしするほどタンニンが强いですが、厚みのある味わいなので、全然気にならずに美味しく饮めます. 「きしきし」は坚いものなどの小さくすれる音を表す.すれる音であるから、摩擦音としては聴覚の面でのァ∥マトペ.なお、もう一面は、摩擦するときの歯応えとして、触覚方面のァ∥マトペとして扱われる. エ.「嗅覚―味覚」「味覚―触覚」 (19)からし明太子だと、辛味がつんとして、それはそれでおもしろい味だ. 「つんと」というのが、强烈な匂いや味を表す.口と鼻がつながっているため、口が刺激的な味を味わうとき、鼻もその感覚を受け入れ、作用されるということで、嗅覚と味覚の复合感覚を表现するァ∥マトペである. (20)スパイスをきかせた料理にも、デビルということばがしばしば使われる.で、これが べられないくらいにひりひりしているのかと思うとそれほどでもない. ここの「ひりひり」は味覚と痛覚の二つの感覚経験を表すと考えられる.味覚的刺激?嗅覚的刺激?触覚的刺激の三つは、そもそも明确に分けられないのではないか、という疑问が生じる.が、ここでは便宜上、舌ならば味覚、鼻ならば嗅覚、それ以外の皮肤感覚ならば触覚というように、刺激を感知する器官によって感覚を区分し、それらの相互影响を検讨した. オ.「视覚―聴覚」 (21)皆が混じってカウンターに并び、ずるずるとラーメンを食べる. 麺类などを素早く啜りあげるさまを表すずるずるは、聴覚が顕着な场合と视覚が顕着な场合がある.しかし、どちらかに限って表现するのではなく、むしろ聴覚と视覚の両方を表すと考えられる.これは、素早く啜り上げるとき、「ずるずる」という啜り音が立つ. カ.「视覚―味覚」 (22)お肉の脂がこってりした仔羊や牛肉. 「こってり」が见た目の浓厚さと味覚を表すとき、油分の多い浓厚な味を同时に表すことができる.この触覚と味覚、そして视覚の意味の间の関系も触覚的に「こってり」しているものが视覚的特徴を有することが多いという私たちの経験を踏まえている. 以上、食感覚のァ∥マトペを感覚により分类整理した.五感で感じたものを器官别に分类され、どちらかの器官で感じるものが一番顕着であるかによって、ァ∥マトペを选択することができる.すなわち、食前に食物を形容したいときは、视覚上のァ∥マトペを选択し、匂いの强い食物の食感を他人に伝えたいときは嗅覚を前提とし言叶を选択するということである. 3. おわりに |