本論文は、日本人韓国語学習者の韓国語作文をテキスト言語学の観点から略论し、日本人学習者を対象とした韓国語作文指導において活用可能な手がかりを... 本論文は、日本人韓国語学習者の韓国語作文をテキスト言語学の観点から略论し、日本人学習者を対象とした韓国語作文指導において活用可能な手がかりを探すことを目標とする。そのため日本人韓国語学習者と韓国語母語話者が同じテーマで作成した論説文を収集した。収集した作文は日本人学習者、韓国語母語話者の二つに分け、結束装置に焦点をあてて略论した。本研究で使用する結束装置は置換(substitution)、接続(conjunction)、省略(ellipsis)、語彙(lexical cohesion)の4種類で、これはHalliday & Hasan(1976)を基盤としながらも韓国語の特性上、指示(reference)と置換(substitution)を一つとみなした韓国内での先行研究に従ったものである。 作文略论の結果、いくつかの結束装置で類似した結果を得られたが、日本人学習者は韓国語母語話者に比べて結束装置を過度に使用したり、あるいは韓国語母語話者は一定の頻度を見せたものの日本人学習者の作文ではほとんど使用が見られないなど、日本人学習者と韓国語母語話者間に差が見られた。結果は次のとおりである。まず、置換の使用においては、'こ(이)'系統と'そ(그)'系統の使用頻度に差が見られた。これは、日本人学習者と韓国語母語話者がそれぞれ論説文を書く際に用いる戦略の違いによるものであると見られる。日本人学習者は主に'そ(그)'系統を用いたが、日本語の論説文を書く際に用いられる戦略であった。一方、韓国語母語話者は韓国語作文において有効な戦略である'こ(이)'系統を多く使用していた。作文指導を行なう際には、韓国語作文と日本語作文における戦略の違いを含めて指導することが重要である。 次に、接続の使用において日本人学習者は韓国語母語話者の二倍以上の頻度で添加を表す接続詞を使用した。日本語では談話を展開する際、一つの事柄に何らかの情報を付け加えていく措施が一般的に用いられることが影響を与えたものと見られる。これに対し、韓国語母語話者は接続詞よりも接続語尾や慣用接続語を用いて文章をつなげ、談話を展開していく傾向が見られた。 省略の使用においては、日本語、韓国語ともに省略の多い言語であると知られており、省略が可能となる条件にも共通点を見いだせるにも関わらず、その使用には違いがみられるという興味深い結果が現れた。日本人学習者は韓国語母語話者に比べ、高い頻度で省略を用いることが明らかになった。これは同一の主語が連続して現れる場合、日本人学習者は接続語尾を用いて文章をひとつにまとめる傾向があることが原因と見られた。一方、韓国語母語話者は同一の主語が連続した場合も適当な長さで文章を区切っており、また、接続語尾を用いる場合、後続節には先行節とは違う主語を使用する傾向が見られた。 語彙の結束装置に関しては、同一語の反復をのぞく全てにおいて日本人学習者の使用頻度が韓国語母語話者に比べて低かった。特に連語の使用については、その差が顕著に現れており、高級レベルの学習者であるにも関わらず語彙力が少ないことが明らかになった。韓国語作文指導において、主題に関連する語彙をともに提示し、教授する必要性が感じられた。 ,韩语毕业论文,韩语论文题目 |