日本語「とる」という動詞は、『日本国語大事典』によると49個の意味を持ち、使用頻度6位にある多義語動詞である。「とる」と対応する韓国語動詞には35個以上があるが、主に「잡다」...
日本語「とる」という動詞は、『日本国語大事典』によると49個の意味を持ち、使用頻度6位にある多義語動詞である。「とる」と対応する韓国語動詞には35個以上があるが、主に「잡다」が第一意味として一般的に思われている。その故、実際に翻訳における多義語動詞「とる」の実態を改めながら、韓国語の動詞「잡다」と比較略论を行い、その二つの動詞の関係を明らかにすることに本論文の目的を置く。
「とる」の場合は、日本語小説『いつか記憶からこぼれおちるとしても』(江国香織、2005)を含めた2000年以降に出版された小説6冊から「とる」の用例を抽出し、韓国語にどう翻訳されており、どういう意味を持って使われたのかを調べた。「잡다」の場合も同じく、『오래된 정원(상, 하)』(황석영、2000)を含めた2000年以降に出版された韓国語の小説5冊から「잡다」の用例を抽出し、対応している日本語動詞と、意味を調べ、「とる」と比較略论をした。調査措施は、対訳している動詞別に用例を並べていき、その対訳語を意味領域ごとに分類することにした。その結果、「とる」ともっとも高い対応率を見せている動詞は「手に持つ」という意味で使われた「들다」であった。次は「하다」で、「잡다」は僅かな用例しか見られなかった。しかし、韓国語小説における「잡다」の翻訳実態では、総237個の用例の内、「とる」は29個を見せ、「にぎる」「つかむ」「つかまえる」次に多かった。
このような差は意味領域別翻訳事例からも見られることである。「とる」の対訳語として「잡다」が使われた場合、すべてが「取得」の意味であったが、「잡다」の対訳語として「とる」が使われた場合は、「取得」は無論、「捕獲」「維持」「除去」の意味としても使用されていた。それは「とる」の方が「잡다」より広い意味範囲を持っていることを示している。そのことに関しては本稿で調べた翻訳例実態を見るとさらに理解しやすい。「とる」の対訳語として多く使われている動詞をみると「들다」「하다」「받다」「따다」などで、互いに関係付けることがしにくい動詞であるが、「잡다」の場合は「にぎる」「つかむ」「つかまえる」「とる」などで、4つとも「手に持つ」という意味を表す動詞である。つまり、「잡다」の上位対訳語が一貫性を見せていることに対し、「とる」の対訳語はそれとはかぎらないと言えるだろう。
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