オンライン日本語作文教授法 : -ピア?レスポンス活動- (3)[韩语论文]
资料分类免费韩语论文 责任编辑:金一助教
更新时间:2017-04-27
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本論文は、オンライン日本語教育における作文指導のありかたを考察したものである。
筆者は、サイバー大学での日本語教育には学習者の自律学習を教師が支援するという措施が適しているのではないかと考え、サイバー大学の作文授業にピア・レスポンス活動を取り入れた。この論文では、ピア・レスポンス活動前後の作文の変化の検証、ピア・レスポンス活動中に見られたインターアクションの略论を行い、(1)オンラインにおけるピア・レスポンスは作文の質の向上に有効か、(2)どのようなレスポンスが作文の質の向上につながるのかについて検証した。また、サイバー大学でのピア・レスポンス活動への学習者の参加率が低いという問題の対策として、(3)オンラインにおける教師のフィードバックの有効性についても検証した。
本論文は、ピア・レスポンスに関する先行探讨の整理<第1章>、オンライン日本語学習者の作文に見られる誤用の略论<第2章>、ピア・レスポンス活動が作文の質の向上に有効か否かの略论<第3章>、学習者間のインターアクションの略论<第4章>、もう一つの指導措施として、教師のフィードバックの効果の検証<第5章>、第2章から第5章のまとめと、オンライン日本語作文指導への提案<第6章>で構成されている。
第2章では、Kサイバー大学の日本語学習者の作文に現われた表記・語彙・文法・表現・漢字について誤用を略论した。その結果、①文字の字形による誤用はないこと、②音声の不正確さが表記に影響を与えた誤用、語彙の誤用、文法の誤用、表現の誤用が確認でき、それらは言語間の誤用もしくは言語内の誤用であった。また、③漢字の誤変換・過剰変換・旧字体等といったパソコンの使用が原因の誤用も確認された。
第3章では、Kサイバー大学の日本語学習者にピア・レスポンス活動を行わせ、ピア・レスポンス活動前と活動後の作文の変化を調べた。また、教師のフィードバックを受けて作文を推敲するグループも設け、フィードバック前の作文と推敲後の作文の変化について調べ、ピア・レスポンス活動したグループと教師のフィードバックを受けたグループの結果の比較を行った。内容・構成・語彙・文法の各項目について、略论的評価を行った結果、全ての項目において教師のフィードバック後の作文よりもピア・レスポンス後の作文の方が向上していた。オフラインでのピア・レスポンス活動の効果を上回る結果となった。オフラインでピア・レスポンス活動を行う場合、活動後の推敲作業は一般的に授業中に行われるが、本調査の対象者であるKサイバー大学の学習者は、推敲作業に充分な時間をかけることができ、辞書をはじめ、インターネットの利用も可能な環境であった。推敲作文の完成度が高くなった理由には、ピア・レスポンス活動だけではなく、他の要素もあるだろうが、教師のフィードバックを受けて推敲した学習者も同じような作文推敲環境であったにもかかわらず、ピア・レスポンス活動後の作文ほど完成度が高くなってはいない。つまり、ピア・レスポンス活動の方が、相対的ではあるが教師のフィードバックよりも効果があると判断できる。
また、ピア・レスポンス活動に参加した学習者にアンケート調査を行い、活動に対する学習者の評価を調べた。8割近い学習者が「楽しかった」と答え、9割近い学習者が「ピア・レスポンス活動は役立つと思う」と回答した。一方で、オンライン上でピア・レスポンスを行うことの問題点として、オンライン上で初対面同士が活動することの難しさ、同じ学習者という立場で批評し合うことの難しさなどが学習者から提起された。また、サイバー大学の学生の大半が社会人であるため、オンライン講義を受講する以外に、ピア・レスポンス活動をすることが学習者は多大な負担となっていた。
第3章では、どのようなレスポンスが、作文の質を向上させるのか、逆に作文の質に大きな変化が見られなかったグループはどのような活動をしているのかという疑問と、ピア・レスポンス活動への参加率の低さに対する対策として、ピア・レスポンス活動以外の学習活動の検証が課題として残った。そこで次章と次次章において、上記課題の検証を試みた。
第4章ではピア・レスポンス後の推敲作文の向上点が高かったaグループと、低かったbグループのインターアクションの略论を通じ、効果的なピア・レスポンス活動とはどういうものかについて調査した。各グループのメンバーの日本語能力のレベルは、aグループが中級レベルで、bグループは初級後半から中級前半であった。活動中、作文の筆者に遠慮してレスポンスをしている様子が見られたが、表現や表記については活発な話し合いが行われた。メンバーの日本語能力が初級レベルであったbグループでも表現について多く話し合われていたが、同時に作文の本文の意味を韓国語で確認したり、作文とは全く関係のない話題も多く、活動が散漫だった。このようなグループの差の原因に、リーダの存在が挙げられる。aグループには強力なリーダーシップで話し合いをリードするリーダーがいたが、bグループにはいなかったた。さらに、aグループは中級レベルの学習者であったため、互いに学習を支援し合うだけの日本語能力を有していたが、bグループの学習者には、そのような日本語能力がなく、各自が正しいと考える表現を列挙するだけで、話し合いに発展していなかった。初級レベルの学習者に対しては、中級学習者と同じ措施でピア・レスポンス活動をさせると、効果的なピア・レスポンス活動にならないことが分かった。
第5章では、ピア・レスポンス活動の代替学習活動として、フィードバック推敲(学習者の作文に教師がフィードバックを與え、学習者はフィードバックをもとに作文を推敲する学習活動)の効果の検証を試みた。フィードバックは誤用の箇所を示し、必要に応じてコメント付けるという措施を取った。講義の第一週目の課題作文と期末試験で書いた作文を比較した結果、中級レベルの場合は、作文の回数に関係なく、作文内の誤用が減っていた。しかし、日本語能力が初級レベルの場合は、作文回数に関係なく、作文内の誤用率に変化が見られなかった。初級レベルの学習者には、毎回異なるテーマで作文をさせるよりも、推敲作業を繰り返し行うことで、文法や語彙、表現の定着を目指す指導が効果的であることが分かった。
第6章では、オンライン作文指導にピア・レスポンス活動を導入することを提案した。具体的な指導措施を以下に簡略に記す。①ピア・レスポンス活動をする前に、ピア・レスポンス活動に肯定的なイメージを持たせるために、模擬ピア・レスポンス活動を行うなどして、協働学習に対する学習者の不安の払拭を目指す。②グループの編成については、同程度の日本語レベルの学習者が同じグループで活動できるようにする。学期の初めに、レディネス調査を行うと同時に、学習者に作文を書かせて、その結果を参考にする。③ボイス・チャット、ライティング・チャット、ビデオ・チャットなど、さまざまな措施で活動をすることができるが、各ツールの長所と短所を考慮して各グループでどの措施を利用するか決定させる。使用言語は、学習者の日本語能力と、レスポンスの措施を考慮して決定されなければならない。中級後半から上級は日本語で、中級前半は日本語でも母語でも可能である。初級の後半は、母語で行う。④ピア・レスポンスピア・レスポンス活動の前の準備(レスポンスを與える作文を読んで疑問点・改善点の整理)と、活動後の推敲作業も重要なので、学期中に2回の実施が妥當である。推敲作業は掲示板を利用して行う。掲示板の内容は公開されるので、必要ならば教師や他の学習者がフィードバックを與えることができる。また、1回目のピア・レスポンス活動では作文の読み手だった学習者を2回目では書き手に、逆に書き手だった学習者を読み手にして、両方の立場でピア・レスポンス活動に参加させる。⑤ピア・レスポンス活動への参加が難しい学習者にはフィードバック推敲をさせる。ピア・レスポンス活動の代替活動なので、一つの作文に対し「フィードバックを受けて推敲する」という作業を数回繰り返す。
今後の課題としては、韓国ではスマートホンの普及が進んでいるので、メッセンジャー・アプリケーションを利用したピア・レスポンス活動の効果について調査をする必要がある。また、ピア・レスポンス活動の参加率を上げるための方策を考えることも重要な課題である。
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