本稿は、日本人学生と韓国人学生の断わり談話における親疎関係と、その談話の中に現れたポジティブポライトネスストラテジーの使用例が、相手への配慮の仕方...
本稿は、日本人学生と韓国人学生の断わり談話における親疎関係と、その談話の中に現れたポジティブポライトネスストラテジーの使用例が、相手への配慮の仕方にどのように影響され、配慮の仕方が日韓の間で違いがあるのかを明らかにしたものである。
ロールプレイ調査では、断わりの言語行動を「先輩」に対して行い、断わりの場面を3つ設定し、被調査者が断わりやすいとされる場面順に調査した。
日本は大阪で、韓国はソウルを中心に行ったロールプレイ調査の結果を基にして3つの断わり場面における日韓それぞれの親疎関係、ポジティブポライトネスストラテジーの使用例、そして日韓それぞれの配慮の仕方という観点から略论した結果、以下のようなことが明らかになった。
(1)日本人は相手が親しい場合であったら、相手が「先輩」と分かっていても同世代の友達のような感覚で断わりを言うのがよく見られた。一方韓国人で、相手とたとえ親しい場合であっても「先輩」を尊重する断わりを言うのがよく見られた。(2)日本人は相手が親しくない場合であっても、語尾を曖昧にする遠回し表現などをあまり使用せず、直接的な断わりを言うケースが多かった。(3)日本語のポジティブポライトネスストラテジーの使用例では、「笑い」を多く使用していた。(4)韓国語のポジティブポライトネスストラテジーの使用例では、代案の提示が多用される。(5)日本人の配慮の仕方は、相手が親しくない場合で
も、親しい場合でも、直接的な断わりの言語行動をすることが配慮と考えられている。(6)韓国人の配慮の仕方は、相手との間柄は関係なく、「先輩」には礼儀を重んじ、直接的な言語行動は控えめにするのが配慮だと考えられている。
日本と韓国は従来文化や習慣について似ている点が多い。だから自分の国では許される行動が、相手の国でも許されると誤解が生じてしまうのも避けられないことである。本稿で明らかになった日韓それぞれの配慮の仕方は、その異文化間の誤解を未然に防ぐひとつの考えになれるものだと思われる。ただ
し、本稿で明らかになったものが、日本と韓国の全ての配慮の仕方とは言い切れない。こういうことが日本と韓国の配慮の仕方だと言い切れるように、研究の措施や調査の対象などを今後改めていく必要があると考えられる。
,韩语毕业论文,韩语毕业论文 |