本探讨は最近10年間にわたって大幅の増加を見せてきた日本の高等学校における韓国語教育について, 広島県の事例を中心として現況を考察し, アンケート調査に基づいた学習者の韓国語...

本探讨は最近10年間にわたって大幅の増加を見せてきた日本の高等学校における韓国語教育について, 広島県の事例を中心として現況を考察し, アンケート調査に基づいた学習者の韓国語教育に対する認識調査をもって現在の韓国語教育の問題点を確認し, その改善の方向性を模索するものである.
本探讨の現況調査から, いわゆる「韓流ブーム」の造成と拡大によって韓国語授業を設ける学校は増加し続けてきているものの, 韓国語授業開設学校の数に比べて履修者数の増加率は低調していることが分かった. また, 高等学校用専門教材の不足および韓国語教員の専門性欠如など, 教育課程の構造面・環境面の改善が求められることも確認できた.
またアンケート調査を通じた学習者の認識調査では, 大半が韓国文化への関心など周辺の諸要因に刺激され韓国語学習をはじめたものの, 自分の韓国語実力に肯定的ではなく, 韓国語が今後の進路にさほど影響しないと思っていることが分かり, 韓国語教育の必要性を再確認する必要があると受け止められる.
なお, 本探讨では日本の文部科学省の韓国語教育を含む英語以外の諸外国語教育に関する構造的改善をもとに, 韓国語の位相の確立, 教科書および教材の開発, 教師の専門性向上を改善方案として提示した.

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