日本語抄録
本論文は韓国語「잘」に対応する日本語「よく」に関する韓日両国語の対照考察である。
韓国語「잘」は用言の状態や行為の様...
日本語抄録
本論文は韓国語「잘」に対応する日本語「よく」に関する韓日両国語の対照考察である。
韓国語「잘」は用言の状態や行為の様子を表す状態副詞でありながら、事件に対する話者の心理、態度を表す様態副詞としても機能する。また動作や状態の起りやすい性質を表したり、事態が高頻度に繰り返され反復することを表す。
日本語「よく」は形容詞「よい」の連用修飾形が意味または機能に変化をきたしたものであるとされる語で、各品詞の副詞的用法とか副詞で紹介される場合もあるが、機能はまぎれもなく副詞であると言える。「잘」と違って「よく」は程度副詞として扱われ同じく話者の心理を表す。
「よく」は行為や状態の程度が十分である様子を表す程度副詞で、そこには評価の意味を有する程度限定と、程度量、量•あり様的限定を表す場合がある。「잘」は状態副詞にもかかわらず程度副詞として「よく」が使われたとき、「잘」との対応が多数見られるのは、その分類に関係なく、「잘」に含まれている意味により程度を表す意味として表現されているからである。ただし、評価の意味を有する程度を表す場合には対応しない。
「잘」/「よく」には多数の意味が含まれているが、これは動詞やテキストによって辞書での記述以外にも表現∙解釈される場合があって、それらの意味全体を把握するには無理であろう。「잘」/「よく」によって修飾される動詞の最も理想的かつ好ましい様子を表し、それらの代わりに別のことばを用いることも可能であるが、「잘」/「よく」を用いることにより話すことをもっと簡単にすることができる。
「よく」には反語の用法があって、相手の行為に疑問をもったり憤慨したりする様子を表す。前者の場合は文全体にかかわって相手の行為に疑問を投げかけたりする様子を表すもので「잘」に対応しないが、後者の場合は相手の行為を非難する様子を表すもので「잘」に対応する。「잘」/「よく」以外に「잘도」/「よくも」の形にも表されることがあって、これらはぜんぶ文脈から反語の表現ということがわかる。
「よく」は話者の心理が直接表される評価、賞賛、感嘆を表す場合があるが、普通の評価、賞賛でななく相手の行為が実現困難であることを認め、それを達成した結果についての評価、賞賛である。韓国語で表現されるとき、「잘」または「용케(용하게)」が対応し、「용케」のかわりに「잘」を用いることもできる。
次に「よく」以外の日本語表現にも「잘」が対応する場合は、先ず、行為や状態の上手なすがたを表す「うまく」「上手に」などで、「よく」はその能力の程度を表すことは可能であるが、その様子まで表すことはできない。「잘」にはその意味が含まれているが、「よく」含まれていないということがわかる。
また、日本語の単語そのままに「잘」が内包している場合として「잘」の意味特徴から「잘」が用いられることによってより具体的な様子を表したり、起りやすい動作や状態を表す「〜やすい」「〜っぽい」などにも「잘」に対応する。同様に「よく」にはこの意味は含まれていないということである。
「잘」/「よく」は様々な意味が含まれている副詞で、その意味の有無によって相違点があることを確認した。
本稿では「잘」/「よく」の基本的な意味用法を基に対照考察が行われただけで、動詞分類による意味の区分やあいさつ表現を除いた慣用表現などは扱っていないし、より深い研究には進まなかった。そのためより豊富な用例を基づき本稿で解決できなかった色んな問題について考察が必要であると思われる。以上の問題については文法的な立場や他の色んな観点からの説明が必要であるが、今後の課題としたい。
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